サントリーホール、どの席で聴く? ブロック別の聴こえ方ガイド

コンサートホールの客席を上階から見た写真に、「席で、こんなに変わる。」の見出しを重ねたアイキャッチ

サントリーホール、どの席で聴く? 「音の宝石箱」を味わい尽くす座席の話

アイキャッチ:サントリーホール大ホール(ヴィンヤード形式の客席)
ぶどう畑のように舞台を囲む客席。サントリーホール大ホールの象徴的な眺め。(写真は差し替え予定)

はじめてのコンサートで、いちばん最初に迷うのは何でしょうか。たぶん、曲でも服装でもなく「どの席を取るか」です。S席とA席、1階と2階、正面と横では、値段も見え方も違います。それなのに、チケットサイトの座席表を眺めても、正直よくわかりませんよね。

今回はその道しるべとして、東京・赤坂のサントリーホールを取り上げます。1986年に、日本で初めての本格的なコンサート専用ホールとして生まれました。以来、「クラシックを聴きに行く」といえば真っ先に名前が挙がる場所です。指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが「音の宝石箱」と呼んだ、と語り継がれる響きでも知られています。

席が変わると、同じ演奏でもまるで違って聴こえます。だからこそ、席を選ぶのは楽しいのです。次にこのホールへ行くとき、少しだけ得意げに席を選べるように、ブロックごとの個性をご案内します。

そもそも「ヴィンヤード形式」って?

サントリーホール大ホールの座席は、全部で2,006席あります。最大の特徴は、日本で初めて採用されたヴィンヤード(ぶどう畑)形式です。客席が段々畑のように舞台をぐるりと囲む造りで、演奏者と聴き手の距離が近くなります。そのぶん、会場全体に一体感が生まれます。

壁や天井の形にも工夫があります。側壁は三角錐の形に、天井は内側へゆるくカーブする形に作られています。おかげで、はね返った音が客席のすみずみまで回るのです。要するに「どこに座っても、それなりに良い音が届くホール」だということです。その上でブロックごとの“味”を知っておくと、席選びがぐっと楽しくなります。

図:大ホール座席ブロック配置(1階/2階Cブロック/Pブロック/LA〜LD・RA〜RD)
舞台正面のCブロック、後方のPブロック、左右のL・Rブロック。名前を覚えると座席選びが早くなる。

ブロック別・見え方と聴こえ方

1階(アリーナ)── 演奏者を間近に

1階席では、舞台と同じ高さで音を浴びられます。奏者の表情や息づかいまで伝わる距離感は、やはり格別です。ただし最前列に近づきすぎると、各楽器の音が溶け合う前に耳へ届いてしまうことがあります。「バランスの良い定番の良席」とよく言われるのは、中央のやや後方、10列目前後です。

2階正面(Cブロック)── 全体を見渡す特等席

2階Cブロックからは、舞台の正面を少し高い位置から見下ろせます。オーケストラ全体の配置が一望でき、音のバランスも整いやすい人気エリアです。「はじめての一枚」で迷ったら、まずここを候補にしてください。

2階サイド(LB・RBブロック)── 通が選ぶ音響

左右のブロックの中でも、LB・RBブロックは「音響がもっとも良い」と評する人が多いエリアです。このあたりのS席相当の位置は、舞台からの距離が1階10列目と同じくらいです。高さは、天井から下がる録音用のマイクとほぼ同じになります。楽器から直接届く音と、残響(ホールに残る音の余韻)のバランスが心地よいとされる場所で、「良い音で聴きたい」人の隠れた狙い目です。

ステージ後方(Pブロック/P席)── 上級者の裏メニュー

舞台の背後、パイプオルガンの下に広がるのがPブロックです。演奏者を後ろから見る格好になるため、顔は見えません。音も前方へ飛んでいくので、正直なところ万人向けではありません。

それでも、この席にしかない魅力があります。ピアニストの手の動きや、指揮者の表情をまっすぐ見られるのは、この席だけです。「演奏を“観る”」楽しみに目覚めた人にとっては、むしろ特等席になります。

なお2階席全般では、中央寄りで、手すりが視界に入りにくい列を選ぶのがコツです。細かな表情を追いたいなら、小さな双眼鏡(オペラグラス)を一つ持っていくと世界が変わります。公式サイトでは、各座席からの見え方を画像で確認できます。購入前に一度のぞいてみてください。

開演前の、ちょっとした段取り

サントリーホールは、六本木一丁目駅から徒歩5分ほどのアークヒルズの中にあります。溜池山王駅や神谷町駅からも歩ける距離です。ホールの前はカラヤン広場という坂道になっていて、開演前は混み合います。

ホールに併設されたANAインターコンチネンタルホテルや、アーク森ビルの中には、飲食店やカフェがあります。早めに着いて一息つくのがおすすめです。人気店は予約しておくと安心です。

服装に決まりはありません。ジーンズでも入れます。ただ、国内の公演では少しきれいめの装いの人が多めです。はじめてで迷うなら、“オフィスカジュアル”くらいを目安にしてください。

そして拍手は、原則として曲全体が終わってから送ります。楽章(曲の中の大きな区切り)と楽章のあいだの静けさもまた、音楽の一部だからです。

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ホール基本情報

名称
サントリーホール 大ホール
所在地
東京都港区赤坂1-13-1(アークヒルズ内)
客席数
2,006席(ヴィンヤード形式)
開場
1986年/日本初の本格的コンサート専用ホール
アクセス
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅より徒歩約5分
公式
サントリーホール公式サイト(座席表あり)

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